労使トラブルで会社が困るのは、「問題がなかったから」ではありません。 問題はあったのに、会社がどのように注意し、改善機会を与え、本人がどう反応したのかを説明できないことです。
実際に起きやすい流れ
遅刻、無断欠勤、業務指示違反、同僚への強い言動。現場では何度も注意していたのに、記録は残っていない。 ある日、会社が退職勧奨や懲戒、解雇を検討すると、本人から「そんな注意は受けていない」「改善の機会をもらっていない」と反論されます。
その時に出せるものが、上司の記憶だけでは弱くなります。会社としては真面目に対応してきたつもりでも、第三者に説明する材料が足りません。
残しておきたい記録
- いつ、誰が、何について注意したか
- 本人がどのように説明・反応したか
- 会社が求めた改善内容と期限
- 再発時にどのような対応を検討するか
- 面談メモ、始末書、弁明書、メール、チャットの関連資料
記録は「処分のため」だけではない
指導履歴は、従業員を追い込むためのものではありません。会社が段階を踏んで改善を促したこと、 感情ではなく事実に基づいて対応したことを残すためのものです。
厚生労働省の個別労働紛争解決制度でも、解雇、労働条件、職場環境、労働契約などが紛争の対象として挙げられています。 紛争になってから記録を作ることはできません。日々の対応時点で残しておく必要があります。
厚生労働省「個別労働紛争解決制度」 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/index.html
本記事は一般的な情報提供です。個別事案の懲戒・解雇判断は、社労士・弁護士などの専門家にご相談ください。